1982

SHIPBUILDING/ROBERT WYATT/FROM NOTHING CAN STOP US
                                  (C.LANGER/E.COSTELLO)
 日本にいる自分からしたらずいぶん遠くの話だったが、アルゼンチンとイギリスの間に起こったフォークランド紛争は、紛争とかじゃなくて、まさに戦争だった。ここでも多くの若者が国と国または、権力者たちの利権に挟まれて命を失う。
 IS IT WORTH IT?と、この歌は、始まり。真珠のような未来をつかむ可能性を持った若者が、シップビルディングにとられ、そして、命を失うことを嘆く。「何の意味があるの?」という問いかけはすべての戦争に受けられなければいけない。
 ワイアットは、この曲のことをどう思っているかは知らないが、代表曲とは思っていないらしい。コステロとランガーの共作で、ジャージーなムードのバラードに、天から降りてきたようなワイアットの歌声が心を打つ。コステロも、バックコーラスで参加。コステロはいい曲を書くし、いい曲をカバーする。
 今、我々は、この戦いのことを忘れてしまいそうなのだが、後を引きずっている人は必ずいるということをこの曲を語り継ぐことによって、忘れないでおきたいと思う。
(2001年1月6日)

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